目次
何よりまずは、すぐに金融機関に相談すること
基本的に返済猶予は可能です。
何よりまずは銀行をはじめとする各金融機関に相談してください。
多くの金融機関でコロナウイルスに関連する相談窓口を設定しています。
直接取引のある支店に連絡してもよいと思います。
コロナ専門の相談窓口の場合は、窓口から各支店へ取次等してもらえるはずです。
まだなんとか大丈夫と感じている場合でも状況は刻一刻と変化していきます。
延滞してしまうと、選択肢の幅がどんどん狭まってしまいますので早めの行動が必須です。
多くの金融機関では延滞状態の住宅ローンは、金利優遇幅が解除になるケースがあります。
金融機関の具体的な対応策
今の段階では、政府からはコロナ対策に柔軟に対応するようにとの指示がでております。
法人向け融資の場合、無担保、無金利での融資が検討され始めていますが、個人については、現段階では特にどのように対応するかの具体的な指針は下りてきていないようです。
今のところは各金融機関にまず相談し、判断を仰ぐのが最善策です。
一定期間の支払いを元金据置の利息だけにしてもらう方法です。通常は元利均等でローンの返済をしますが、元金の返済をストップし、例えば1年間利息のみの支払いにする返済猶予という措置です。
例えば、今住宅ローンの残高が3,000万円、金利が1%だったとし、35年ローン毎月の返済がザっと8万円、内訳(元本3万円/利息5万円)だとすると、一旦元本の返済を取りやめます。そして利息だけの支払いにします。
3,000万円×1%×1/12(か月)=25,000円(1か月あたり)
ざっと8万円の支払いが2.5万円まで抑えられます。
※ただし、元利均等返済の場合、当初は利息の返済が多く、年数が経過するにつれ、元本の返済額が増えるため、完済間近の場合は、リスケを行っても返済額はそんなにかわらない。
手元に、現時点での借入残高と金利さえ分かれば、ざっくりとして元金据置をした場合の返済額は簡単にわかります。
今の残高×金利×1/12 です。
注意点は、最低でも利息の支払いは続けていかなければなりません。住宅ローンの返済そのものをストップすることは基本的には不可能です。
この場合、ローンの期間は当初と変わらないので、元金据置期間が終われば、期間の帳尻を合わせるため、以後の返済額は少し増えます。(期間を延長することで据置期間終了後の返済額を今までと同じぐらいにすることは可能です。)
期間延長リスケです。元金の支払いも今まで通り行いますが、期間を延長する分、毎月の返済額を抑えるパターンです。
当初ローン残高3,000万円、現在ローン残高2,000万円、当初返済期間35年(すでに15年返済済み)残り返済期間20年を例えば10年間延長することが可能です。
ただ、元金の返済も継続しておこないますので、元金据置パターンほどに返済額は減りません。期間が長いほど毎月返済額は抑えることができますが、その分、元金の返済ペースが遅くなるので、総返済額は増えます。
※期間延長した結果、団体信用生命保険の適用年齢(だいたい80歳ぐらい)を超えると、超えてしまった期間は、万が一があっても団信が下りません。
上記①+②の合わせ技です。
元金据置だけでは、据置措置が終わったあと返済額が少し増えてしまいます。猶予期間後の収入額なんで今回ばかりは分からないですよね。1年後、今までと同じ収入があるかどうかわからない。そんな状況で据置後の返済額を抑えたほうがベターです。
元金据置パターンとローン期間延長パターンを組み合わせすることで、今までと同じ返済額、もしくは、リスケ前よりも返済額を減らすことができます。例えば、元金据置を1年間にした場合、ローンの返済期間も1年延長をすれば、元金据置期間が終了しても、大体今までと同じ返済額で返済を続けることが可能です。(住宅ローン基準金利が変わらなければ)
企業の業績が悪化しボーナスが出ない!?そんなときはどうする!?
期間延長リスケによって解決できる!
毎月返済+ボーナス返済 を 毎月返済のみ
にすることができます。
年に2回払っていた臨時の支払いをなくすわけですから、当然その分は均等に毎月返済に充当されるので毎月返済の負担が増えます。
そこで期間を延長することにより、負担を軽減することが可能です。
ボーナス返済を取りやめたことにより増えるであろう毎月返済の上乗せ分を期間を延長することによって分散させるのです。もちろん総返済額は増えますが、延滞するよりは断然マシです。
リスケは債務者にとって良いことばかりにも見えますが、もちろんリスクやデメリットもあります。
住宅ローンリスケのデメリット
・住宅ローンの返済が遅れていたりした場合、金利優遇が解除になる可能性がある。
住宅ローン基準金利2.475% 優遇幅1.5% 取組金利0.975%
リスケ後 優遇幅取消 → 取組金利 2.475%
くれぐれも、返済が遅れることがないように注意してください。1回や2回の延滞が将来的に大きな影響を与えます。
・住宅ローンの総返済額が増える。
元金据置パターンは、一定期間元金の返済がストップして利息だけ支払うわけになるので、上記のケースでは少なくとも年間約30万円利息だけ無駄に払うことになります。
・期間延長リスケをした場合、保証会社に追加の保証料を支払わなければならない。
通常、住宅ローンは当初取組時に保証会社に保証料を払います。これは、ローン取組期間中に債権が焦げ付いた場合に、金融機関が債券を保証会社に譲渡することができるかわりに、債務者が保証会社に保証料を支払うものです。残高と延長期間が長ければ長いほど保証料も高額になります。
・金融機関に条件変更の手数料を支払わないといけない。
住宅ローンの条件を変更するとなると、金融機関側にもそれなりの手数料を支払わなければなりません。
・変更契約書の記入などが必要になる。
債務者一人だけならまだスムーズですが、連帯保証人が遠方にいる場合など、呼び寄せて面前で変更契約をしないといけない場合もあります。
・追加の保証人や担保を要求される場合がある。
銀行は債権を最終的には回収しなければなりません。そのために、債務者に将来的な支払い能力がないと判断した場合は、追加の保証人や、追加担保を要求される場合があります。
・必ずしも希望がそのまま叶うわけではない。
条件変更は銀行にとっても条件が悪くなることなので、有難い話ではありません。そのため、債務者に本当に支払い能力がないのか審査します。そのために様々な書類を提出を要求される場合があります。金融機関側が支払いに問題がないと判断した場合は、リスケそのものが拒否されるケースもあります。
今回のコロナのケースはどのパターンが最善か!?
私は間違いなく、元金猶予と期間延長の組み合わせがベターだと考えます。
理由は、
今後の一定期間の収入見通しが全くわからない。
↓
一定期間の返済額を最低額まで下げる。
↓
元金据置措置。
さらに期間延長措置もあわせて行ったほうがさらに安心です。
でないと、今後の見通しが立たないまま、1年後に今までと同じ額返済できるかわからないですよね。
仮にも1年間は元金を据え置くわけですから、お尻(期間)は変わりませんので、元金据置後の返済額は少しは増えてしまいます。
私が予想する今回のコロナ対応にあたる金融機関の住宅ローンの取り扱い
- 通常返済条件の変更は厳しい場合が多いが、政府よりの指示で条件が緩和され、希望が通りやすい可能性が考えられる。
- 相談の急激な増加が予想されるため、審査や条件変更に時間がかかる可能性が考えられる。
コロナで収入減。住宅ローンの対応措置 まとめ
- まずは何より早めに金融機関に相談する。
- リスケをする場合は、元金据置、もしくは元金据置+期間延長リスケ。
- デメリットもあるので、よく熟慮してから実行に移す。
- 決断は早めに!延滞してしまうと選択枝が狭まる!
- 今回のコロナで金融機関の窓口がパンクする恐れがあります。相談は早めに!
コロナの特別対応ではありませんが、一般的に住宅ローンの返済が厳しくなった場合の一般的な金融機関の対応は以下の3パターンがあります。